P001 ローレンス・ハルプリンによるウォータースケープのスケッチに関する考察

ローレンス・ハルプリンによるウォータースケープのスケッチに関する考察
〇木下一花1、曽和治好2、森本順子2
1 武庫川女子大学大学院建築学研究科景観建築学専攻
2 武庫川女子大学 景観建築学科

要旨
動的なランドスケープを生み出し、設計の中にしばしば水を扱うローレンス・ハルプリンの水の設計への考察を行う。彼のスケッチには流れの線を細かく描いたものが多く残されており、本論文の目的は、スケッチに描かれた水に関する図中の言葉や線画を分析することで、水や人を惹きつけるウォータースケープの表現やそのデザインプロセスの特徴を考察することである。
「SKETCHBOOKS OF LAWRENCE HALPRIN」(プロセスアーキテクチュア刊,1981) 内でウォーターケープがデザインされている「ポートランドの広場」「フランクリン・デラーノ・ルーズベルト・メモリアル」「リーヴァイプラザ」の3 つのプロジェクトのスケッチからハルプリンの設計手法、言葉、水流の線を分析する。

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この投稿へのコメント

  1. 下村泰史 said on 2021年10月30日 at 2:14 PM

    作家研究として興味深いアプローチだと思います。「言葉による分析」と「線画による分析」が総合されて結論にいたるプロセスも見たいと思いました。

    • 木下 一花 said on 2021年10月30日 at 11:36 PM

      作成者の木下です。
      貴重なご意見をありがとうございます。
      結論に至るプロセスについては、「言葉による分析」にて分類した言葉が、「線画による分析」において図のどの箇所を示しているのかを意識しながら線画の透写を行った上で、考察しました。
      しかしながら、ご指摘の通り、今回の研究では言葉と図を総合しての作品の分析や考察には至っておりません。いただいたご意見を踏まえて、今後の研究を進めていきたいと考えております。

  2. 村上修一 said on 2021年10月31日 at 11:25 AM

    近頃,ランドスケープのモダニズム研究が少なく寂しさを覚えていましたが,本研究を拝見し嬉しくなりました。スケッチを「言葉」と「線画」の両面から精緻に分析する手法には感服しました。ここまで詳細に観察されたことで,創造的なデザインプロセスをどのように進めると良いか,木下さんご自身が多くを学ばれたことでしょう。
    「線画」の分析で示されている根拠図(透写)には着色がなされていますが,着色の仕方や色の選定も分析過程の一部になっていると思います。結果の再現性という観点から,透写の手順も詳細に示されると良いのではと思いました。

    • 木下 一花 said on 2021年10月31日 at 3:42 PM

      村上先生
      ありがとうございます。非常に楽しく研究に取り組め、設計に活用できるデザインプロセスについて多くを学ぶことができました。
       着色に関しまして、活動を表す「人」の表現と水の動きを表す「矢印線」「黒色の線」「濃い青」「薄い青」の5つを分析対象としました。「人」「矢印線」は明確に判断できるものでしたが、「黒色の線」では数が非常に多いことや他の媒体を表す線などとの区別、「濃い青」「薄い青」では塗りとしての領域や2つの境目の判断において、迷うところがありました。ご指摘の通り、定義づけなどを詳細に示すことで結果の再現性につながると感じました。

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