P004 漁師着“ドンザ”からみた淡路島の藍染文化の特徴とその継承

漁師着“ドンザ”からみた淡路島の藍染文化の特徴とその継承
〇岡本佳奈1、嶽山洋志1
1 兵庫県立淡路景観園芸学校/兵庫県立大学大学院 緑環境景観マネジメント研究科

要旨
「ドンザ」とは,藍で染めた木綿布を数枚重ね、防寒や補強のための刺し子を施した漁師着である。淡路島でも昭和初期までは普通に見られたが,最近では知る者もほとんどいなくなり,北淡と洲本の資料館に数点残るのみとなっている。一方,淡路島の産業界ではドンザに注目する動きもあり,紺屋などのランドスケープ遺産も含めた藍染文化の再評価と継承の仕組みづくりが求められている。そこで本研究ではドンザを取り巻く淡路島の藍染文化の特徴を明らかにするとともに,その継承のあり方について考察することを目的とした。具体的には,淡路島におけるドンザの残存実態やその地理的特性,紺屋の分布や屋敷構の特徴などについて報告する。。

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この投稿へのコメント

  1. 下村泰史 said on 2021年10月30日 at 2:44 PM

    ドンザの認知度と集落の立地環境との関係は興味深く思われました。
    千葉県船橋市の漁村では、ドンザは漁師の晴れ着で、海難事故で亡くなったときにドンザを象った凧をあげる習俗があったそうなのですが、今回の研究を拝見して、地域を超えてドンザと風の間になにか関係があるのかな、などと妄想しました。

    京都芸術大学芸術教養学科web卒業研究展より
    松本禎子
    ドンザ凧 ―船橋漁師の矜持をのせた鎮魂の凧―
    http://g.kyoto-art.ac.jp/reports/2121/

  2. 岡本佳奈 said on 2021年10月30日 at 10:41 PM

    下村先生
    ご質問ありがとうございます。
    淡路ドンザの中には、藍染めされた布が白色に見えるほど、白糸で大変細かく施された刺し子があります。刺し子には様々な模様が使われ、例えば、麻の葉は先が尖っていることから、魔除けとしてドンザに施されていました。戦前までは非常に危険な仕事の1つであり、家族は、漁に出かける息子や夫の身の安全を守りたいという願いを込めて、ドンザを作っていたそうです。凧のお話を淡路で聞いたことはないですが、ドンザはお守りのような存在でした。

    また、緻密に刺し子されることで、風を通しにくくしていることも淡路ドンザの特徴としてあります。冬場、西風の強い淡路島の西側地域には、現在、風力発電の風車が設置されています。風車のように、淡路島の風による特色が他にもありそうですし、それらから、ドンザと風に何か繋がりが見えてくるかもしれませんので、新たにヒアリングしてみたいと思います。

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