P014 中国北京市における市民農園の現状と今後の利活用への期待

中国北京市における市民農園の現状と今後の利活用への期待
〇楊 時宇1、大野朋子1
1 神戸大学大学院人間発達環境学研究科

要旨
都市化の進む中国において市民農園は、今後、都市部の緑地として重要な機能を担うと考える。
そこで本研究では、中国北京市における市民農園について地理的分布状況や利用実態、政策的背景からその現状を明らかにし、今後の中国で期待される市民農園の可能性について考察する。
資料や衛星画像を用いて北京市の市民農園を調査した結果、北京市には105箇所の市民農園が確認できた。また、調査地での市民農園は、独立した施設ではなく、農場内に宿泊や飲食施設とともに併設される形で、その面積はごく一部であった。しかし、政策的支援を受けたことで、緑地環境に配慮した永続農業という考え方を取り入れ運用する農園も出始めていることがわかった。。

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この投稿へのコメント

  1. 小林 徹哉 said on 2021年10月30日 at 4:18 PM

     日本では、1992年に始まった生産緑地制度の30年縛りが2022年に解除されるため、多くの生産緑地が宅地になることが懸念されています。
    土地所有者自身による営農が困難でも、宅地として売却するのではなく、貸農園として生産緑地を維持し続ける道の可否を検討するのに良いケーススタディだと感じました。
    このご研究を通じて、日本の生産緑地を維持する上で参考になる点があれば、ご教示ください。

    • 楊時宇 said on 2021年10月30日 at 6:08 PM

       ご質問ありがとうございます!まずは政策の方を補いて、説明させていただきます。
       生産緑地制度の解除による税金増加の懸念を受け、日本では2018年に『都市農地賃借法』を制定し、課税負担を緩和してきました。土地所有者自身による営農が困難の場合、『都市農地賃借法』の適用を受けて、生産緑地を第三者に貸し出しても相続税の納税猶予制度を継続して利用することができます。この法律によって生産緑地の利用価値が拡大されました。生産緑地の所有者は、税制優遇を受けながら、土地賃貸で収益目標を達成することができます。
       今回のポスターには、この部分を及ぶことはありませんでした。しかし、この政策は市民農園のチャンスだと考えられ、私の研究の支えとなりました。市民農園を開設する行為は、日本政府が農地所有者の損失を下げながら、一定数の農地を維持するために、制定した『都市農地賃借法』の具体的な実現だと思います。
       私の研究は、市民農園の利活用の可能性を証明し、農園に注目を再び集め、より完璧な管理を実現することによって、生産緑地の維持の一助になれると期待しております。

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